書きたい事を書きたい時に

はてなダイアリーとはまた違うものをこちらに書きます。例えば、コラム的な内容や、機械の分解など、様々なジャンルに渡ります。1ヶ月に1記事ぐらいのペースで更新します。

TPPが日本に与える影響(5)

TPPが日本に与える影響(1)>>TPPが日本に与える影響(2)>>TPPが日本に与える影響(3)>>TPPが日本に与える影響(4)>>本記事

 

経済

A.GDPはどうなる?

TPPに参加することで、GDPが増えるのか減るのか。

これは、各省庁により試算が違っていました。

 

まず、農林水産省

こちらは、「国境措置撤廃による農産物生産等への影響試算について」という試算を出しています。

この試算の条件は以下となっています。

試算の前提

○ 19品目を対象として試算

 [米、小麦、甘味資源作物、牛乳乳製品、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵 等 ]

【基準】 関税率が10%以上 かつ 生産額が10億円以上 (林産物・水産物は含まない)

※国産農産物を原料とする1次加工品(小麦粉等)の生産減少額を含めた。

この上で、農産物の生産減少額は4兆1千億円程度、国内総生産(GDP)減少額は7兆9千億円程度としています。

 

一方、経済産業省

こちらは、「TPP不参加による基幹産業の損失」・「試算総括表」という試算を出しています。

この試算の条件は以下となっています。

※自動車、電機電子、産業機械の主要品目(輸出金額ベー スで約7割相当)について試算。

(ア)日本がTPP、日EUEPA、日中EPA いずれも締結せず、

(イ)韓国が米韓FTA、中韓FTA、EU韓FT Aを締結した場合

 この上で、「2020年に日本産品が米国・EU・中国において市場シェアを失うことによる関連産業を含めた影響」は、実質GDPが10.5兆円相当減少するとしています。

また、以下のようにも書いてあります。

※上記の実質GDP減少額は、産業連関分析により算出した経済波及効果を含む波及効果20.7兆円を実質GDP換算したもの。

しかし、見ても分かるように、この試算の条件はかなり限定的であります。 

 

そんな中、2013年3月、政府は、TPPによる関税撤廃の経済効果について、政府統一試算を公表しました。

この試算の条件は以下となっています。

①関税撤廃の効果のみを対象とする、②関税は全て即時撤廃する、③追加的な国内対策を計算に入れない

この上で、農林水産物の生産額は3.0兆円減少するが、それも含めたトータルの数字として、全体では、実質GDPは3.2兆円分底上げされ、このうち、消費の拡大が3.0兆円のプラスとなっている としています。

また、内閣官房のサイトにはこれに加え、PECC(太平洋経済協力会議)の試算が書かれています。

この試算の条件は、以下となっています。

関税撤廃に加えて、①非関税措置の削減、②投資・サービスの自由化、を含める

この上で、経済効果は「実質GDPの2%、1,050億ドル、約10兆円、底上げされる」としています。

 

しかし、政府の統一試算が出た後、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」が試算を公表しました。

それによると、関税を撤廃すると、農林水産物の生産額は約3兆4700億円減り、それに伴い関連産業の生産額は約7兆円減少し合計で10兆円を超え、これらを考慮に入れると、GDPは約4.8兆円減る としています。

 

B.労働条件はどうなる?

 Aのほうでも出てきた、「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」によると、関税が撤廃されることによって、全産業で約190万人の離職者が出る としました。

この懸念に対し、政府は、関税が撤廃されることで輸出が増え、国内の雇用や収入に良い影響が出ることが期待される としています。 

 

また、TPPに加盟することで労働力が自由化され、加盟国から日本に労働者がやってくる。

特に途上国の労働者にとっては日本の賃金は魅力。

たとえ賃金を一般的な日本人より低くしても、魅力。

そうすると、高い給料を払わなくても良い外国人を多く雇うようになり、日本人の雇用は減り賃金相場が下がっていく... という意見もあります。

 

この懸念に対して政府は、

人の移動についての議論はされていますが、これは、ビジネスマンの出張や海外赴任などに関する手続等を容易にすること等を主眼として議論されているものです。

労働条件や環境基準については、貿易や投資を促進することを目的に、環境基準や労働者の権利保護の水準を引き下げないようにすることなどが議論されているようです。したがって、むしろ不当な労働条件の下での輸出拡大や環境基準切り下げの防止等の効果が期待されます。

としています。

 

C.貿易はどうなる?

こちらはメリットから。

TPPによる関税の撤廃により、貿易が活発になり、日本製品の輸出が増大する ということが考えられます。

 

しかし、日本は既にTPP参加国の多くと自由貿易協定などを結んでおり、関税を撤廃しても経済的効果は限定的だ という意見があります。

また、TPP参加国には発展途上国も多く、日本が参加しても市場が狭く、輸出先としてはあまり利益が見込まれず、経済的効果は限定的だ という意見もあります。

 

一方で政府は、

輸出相手国の関税が撤廃され、貿易手続きが簡素化されることで、日本の優れた工業製品などを輸出しやすくなり、<<中略>>また、世界的に評価の高い日本の高品質の農林水産物も海外に輸出しやすくなります。

としています。

 

D.デフレが起きる?

TPPに参加すると、安い商品が輸入され、それらに対抗するため国産製品は価格を抑えることになり、デフレが引き起こされる という懸念があります。

 

これに反対する論としては、関税がなくなり価格が下がることにより、逆に消費者は多くの物を買うようになり、原材料費が安くなった企業の利益が増加し、賃金が増え、必ずしもデフレには直結しない という意見があります。

 

E.企業の利益はどうなる?

こちらはメリットから。

TPPに参加することで、関税撤廃により安く物が売れるため、輸出企業は海外に進出しやすくなり、既に海外に工場などを所有している会社は、(TPPによる)共通ルールの導入により企業内貿易が効率化し、企業の利益が増えることにつながる という意見があります。

 

一方、海外にあまり進出していない企業には利益は出ない、そして、大企業の海外進出が進むことで、国内の下請け業者への受注が減る という意見もあります。

また、日本側にかけられている関税が撤廃されれば良い話ですが、逆に、日本がかけている関税が撤廃されることもあるため、その場合に不利益を被る という意見もあります。

 

こういった点について政府は、

輸出相手国の貿易手続や、ビジネスマンの入国・滞在手続が迅速化・簡素化され、投資ルールが整備されることで、大企業のみならず、すぐれた技術を有する中小企業もアジア太平洋地域の広大な市場に進出することが容易になります。また、流通などのサービス産業も海外に進出し易くなります。

としています。

 

F.価格はどうなる?

こちらもメリットから。

関税が撤廃されると、衣食住に関わる多くの商品が安く購入できるようになる と、政府は言っています。

 

しかし、地元の名産品などは、安いものに押されて生産者が減少し、収益が望めないと値段がさらに上がる という意見もあります。

 

G.その他

その他に考えられるメリット・デメリットを2つほど紹介します。

 

1つ目。

生産性が向上するのではないかということ。

農業人口が減り、工業へ人が移ることで、日本の生産性が向上する という意見があります。

 

2つ目。

外国企業が公共事業に多く参入し、日本企業が儲からなくなるのではないか・防災目的などの公共事業を外国企業に任せるのは安全保障上、大丈夫なのか という懸念があること。

これらの懸念に対し政府は、

日本は、WTO政府調達協定(GPA)(※)に加盟しており、既に、国や都道府県・政令指定都市による一定額以上の公共事業等については、外国企業も日本企業と同じ条件で参入できるようになっています。

※WTO政府調達協定(GPA):公共事業を含む政府調達(国・地方など)を外国企業にも開放することを目的とする協定、加盟国は2013年1月で42か国(TPP交渉参加国では米国、カナダ、シンガポールのみ。)

しかしながら、これまで日本の公共事業への外国企業の参入実績(参考資料へリンク)はわずかです。また、GPAで求められる英語等による事務対応としては、調達物件の名称・数量・入札期日等を公示(参考資料へリンク)することのみです。

なお、各国の政府調達のルールを整備することで、日本企業がアジアの公共事業等を受注しやすくなり、今後予想されるアジアの膨大なインフラ市場への参入が促進されることが期待されます。

仮に、日本の政府調達のルールに影響を与え得るような議論がなされる場合には、日本の特性を踏まえ、しっかりと対応していきます。

としています。

 

 

次回は「日本の制度変更」について見ていきたいと思いますが、その量が少なければ、もしくは、ISD(ISDS)条項についても書きましたし、書く内容がなければ、「知財」についても見ていきたいと思います。 

 

>>TPPが日本に与える影響(6)へ続く(現在執筆中)

 

 

<参照・引用>

▼A.

http://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokuryo/110202/pdf/refdata5.pdf(農林水産省)

http://www.meti.go.jp/topic/downloadfiles/101027strategy02_00_00.pdf(経済産業省)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#4(内閣官房)

http://www.think-tpp.jp/nation/index.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.tokachi.co.jp/news/201305/20130522-0015673.php(十勝毎日新聞)

https://www.think-tpp.jp/shr/pdf/report03.pdf(TPPの影響に関する各種試算の再検討)

 ▼B.

http://www.think-tpp.jp/nation/index.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

http://luna-organic.org/tpp/tpp-3-3.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#7-4(内閣官房)

 ▼C.

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AETPP%E4%BA%A4%E6%B8%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%AB%B8%E8%AD%B0%E8%AB%96#.E8.80.83.E3.81.88.E3.82.89.E3.82.8C.E3.82.8B.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.83.83.E3.83.88.E3.83.BB.E3.83.87.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.83.83.E3.83.88(Wikipedia)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

▼D.

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://luna-organic.org/tpp/tpp-3-4.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://matome.naver.jp/odai/2129497637940780601/2129498886941136803(NAVERまとめ)

http://yamazakijapan.blog.fc2.com/blog-entry-39.html

▼E.

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://matome.naver.jp/odai/2129497637940780601/2129497684840790703(NAVERまとめ)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AETPP%E4%BA%A4%E6%B8%89%E5%8F%8A%E3%81%B3%E8%AB%B8%E8%AD%B0%E8%AB%96#.E8.80.83.E3.81.88.E3.82.89.E3.82.8C.E3.82.8B.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.83.83.E3.83.88.E3.83.BB.E3.83.87.E3.83.A1.E3.83.AA.E3.83.83.E3.83.88(Wikipedia)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

▼F.

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13116786113(Yahoo!知恵袋)

▼G.

http://matome.naver.jp/odai/2129497637940780601/2129498823541106703(NAVERまとめ)

http://ib-kensetsu.jp/2013/04/tpp-0410-dm1343-1.html(NETIBNEWS)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#7-6(内閣官房)

TPPが日本に与える影響(4)

TPPが日本に与える影響(1)>>TPPが日本に与える影響(2)>>TPPが日本に与える影響(3)>>本記事

 

農業

 A.農家への打撃と食料自給率の低下の可能性について

関税の撤廃によって外国から安い農産物が流入し、国産の農産物が売れなくなるという懸念があります。

そして、国産の農産物が売れなくなることにより、農家は打撃を被り、廃業に追い込まれ、農産物の生産額が減少し、食料自給率が低下する、という懸念があります。

 

これに対し、政府は、「TPP交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することをあらかじめ約束することは求められないことを確認した」とした上で、

それぞれの国には、国柄があり、守るべきものがあります。また、食料を安定して供給していくことを将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の最も基本的な責務です。日本政府は、日本の「食」と「農」を守るため、TPP交渉において、強い交渉力を持って、守るべきものは守り、攻めるべきものは攻めることにより、国益を最大限に実現するよう全力を挙げて交渉に当たります。

 としています。(内閣官房より引用。URLは本記事の下のほう)

 

また、海外での売り込みなどもして、輸出量を増やせば、農家の利益が増え農業が成長し、自給率も上がる、という意見もあります。

実際、政府も、

世界的に評価の高い日本の高品質の農林水産物も海外に輸出しやすくなります。

 としています。(内閣官房より引用。URLは本記事の下のほう)

 

B.その他の懸念

その他にも、■使われない水田が増えることによって、洪水が増えたり、生物多様性が守れなくなるという懸念 ■食料自給率の下がった日本が輸入を増やすことで、途上国の食糧事情が一段と厳しくなるという懸念 ■離島経済が崩壊し、無人島が増え、安全保障上の問題が出てくるという懸念 などがあります。

 

これらに対し、政府は、

TPP交渉のいかんに関わらず、日本の農林水産業を取り巻く状況は、農業従事者の減少、高齢化の進展、耕作放棄地の増大(参考資料へリンク)など、厳しい状況にあり、農業の活性化を図っていくことは、極めて重要な課題です。政府においては、「農林水産業・地域の活力創造本部」(首相官邸サイトへリンク)などにおいて、農林水産業を成長産業とするための方策のほか、美しく伝統ある農山漁村を次世代に継承するための方策、食の安全、消費者の信頼を確保するための方策について検討していきます。

としています。(内閣官房より引用。URLは本記事の下のほう)

 

 

次回は経済についてみていきます。

 

>>TPPが日本に与える影響(5)へ続く

 

 

<参照>

http://www.think-tpp.jp/nation/index.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

http://matome.naver.jp/odai/2129497637940780601(NAVERまとめ)

 ・http://tpp-kokumin.jp/qa/03_02_06.html(TPP交渉への早期参加を求める国民会議)

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1287581657(Yahoo知恵袋)

TPPが日本に与える影響(3)

TPPが日本に与える影響(1)>>TPPが日本に与える影響(2)>>本記事

 

医療

A.混合診療の解禁と医療保険の自由化の可能性について

現在の日本の医療は、多くが、患者の自己負担が3割以下で済む「保険診療」です。

それに対して、保険が適用されず、患者が全額を負担しなければならないものが「自由診療」です。

この2つを合わせたものが「混合診療」と呼ばれるものですが、現在の日本では、患者に保険外の負担を求められることが多くなり、患者の負担が増大してしまうことや、安全性などの科学的根拠のない医療が保険診療と合わせて行われてしまう可能性があるため、原則として禁止されています。

 

しかし、日本がTPPを締結することによって、この混合診療が解禁され、さらには国民皆保険制度がなくなってしまうという懸念があるのです。

なぜそういう懸念が出てきてしまうのか、今から説明していきたいと思います。

 

先程も書いた通り、日本はほとんどが「保険診療」のため、本当に必要でなければ、高額な「自由診療」は受けない人がほとんどだと思います。

しかしこれは、日本に最先端の医療を売り込みたい外国の製薬会社などにとって、障壁になるのです。

それは、売れないからです。

 

また、「国民皆保険制度」も、日本に保険を売り込みたい外国の保険会社などにとっては障壁になります。

理由は同じく売れないからです。

そのうち、外国のそういった会社が、日本を「国際投資紛争解決センター(ICSID)」に訴えるかもしれません。

 

このように、ある国が自国の利益や産業を守るために行う制度や法律により、海外の企業や投資家が損をした場合、ICSIDにその国を訴えることができる、という制度を、ISD(またはISDS)条項と言います。

TPPにこれが盛り込まれる可能性があるため、こういった懸念が出てくるのです。

(このISD条項については、後の記事で説明することになるかもしれません)

 

前述のように、海外企業などが日本政府を訴え、もし日本政府が負ければ、賠償金を支払うか、制度そのものを変えなければなりません。

それによって、例えば混合診療が解禁されるとどうなるでしょう。

私の参照しているサイトには、要約すると、「患者の選択の範囲が広がるようにも見えますが、膨らんだ保険の費用を抑えるため、保険に適用範囲を狭くするということにもなりかねない」とまで書かれています。

 

さすがにここまでにはならないと思いますが、いずれにせよ、保険外診療が増え、医療費や薬の値段が高騰するのではないか、という懸念があります。

 

ここまで読んで下さっている皆さんは、もう不安でしかないかもしれません(笑)

そこで、これから、これらの懸念に対する反論意見を書いていきたいと思います。

 

まず、これらの懸念に対して政府は何と言っているか。

医療制度に関しては、

政府が現時点で得ている情報では、TPP交渉においては、公的医療保険制度のあり方そのものなどは議論の対象になっていません。また、これまで日本が締結してきた経済連携協定においても、公的医療保険制度については、金融サービスの自由化について定める規定等から除外しています。

政府としては、日本が誇る国民皆保険制度を維持し、安全・安心な医療が損なわれることのないよう、しっかりと主張していきます。国民皆保険制度は、日本の医療制度の根幹であり、この制度を揺るがすことはありません。

※米国の政府関係者からは、TPPは、①日本や他の国に自国の医療保険制度の民営化を強いるものではない、②いわゆる「混合診療」を含め民間の医療サービス提供者を認めることを要求するものではない、という旨の発言がこれまでもなされています。

としています。(内閣官房より引用。URLはこの記事の最後の方。)

公的医療保険制度とは、医療を受ける時に、公的機関などが医療費の一部を負担してくれる制度のこと。

国民は全員が「公的医療保険」に加入することになっており、それを国民皆保険制度と呼んでいるわけです。

つまり、政府としては、そもそも「国民皆保険制度」も「混合診療」も議論の対象になってはいないから大丈夫だ、ということです。

 

さらにISD条項に関しては、

これまで、日本は、合計で25の投資協定や経済連携協定EPA)を結んでいますが、そのうち24の協定でISDS条項を設けています。これは、海外で活躍している日系企業が、進出先国の協定に反する規制やその運用により損害を被った際に、その投資を保護するために有効な手段の一つになるものと考えているからです。

日本が結んでいる協定では、争いの解決法として、相手国の制度を変更させるのではなく、投資家が被った損害の賠償や原状回復という形がとられています。

ICSIDが世界銀行の傘下であることから、米国に有利な判断が下されるのではないかとの懸念も聞かれますが、そもそも、ICSIDは、仲裁のための行程管理など事務的なものを行い、仲裁の判断は行わないため、そのような指摘は当たりません。また、通常、国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)やストックホルム商業会議所仲裁協会(SCC)、国際商業会議所(ICC)など、ICSID以外の仲裁規則・機関を選ぶこともできます。

また、投資家に具体的な損害が生じていない場合は訴えることができません。投資家に具体的な損害が生じた場合も、賠償などが命じられるのは、正当化されない外資規制など投資に関する義務違反が行われた場合などに制限されます。

なお、交渉の中で、特定の措置について自由化の対象外とすることも可能です。これまでの日本が結んでいる協定では、公的医療保険制度は投資分野の義務から除外されており、ISDS条項の対象とはなっていません。

 としています。(内閣官房より引用。URLはこの記事の最後の方。)

長々と引用してしまいましたが、要するに、今まで日本が他国と結んできた協定にはISD条項が入っているものもあるが、「公的医療保険制度」はその対象から除外している(だからTPPでも除外する)、ということです。

 

また、これらの懸念が出る根幹には、TPPでは、関税だけでなく「非関税障壁」の一部も撤廃される可能性がある、というものがあります。

非関税障壁とは、

関税以外の方法によって貿易を制限すること。または、その制限の解除要件のことである。非関税措置と呼ぶこともある。

具体的には、輸入に対して数量制限・課徴金を課す、輸入時に煩雑な手続きや検査を要求する事。または国内生産に対して助成金などの保護を与える事などによって行われる。

また拡大解釈的には、輸出入に不平等な結果をもたらす、国特有の社会制度や経済構造を含む場合がある。

 というものです。(Wikipediaより引用。URLはこの記事の最後の方。)

 

つまり、「混合診療」や「国民皆保険制度」が「非関税障壁」とみなされれば、他国の会社などから訴えられるかもしれない。が、みなされなければ訴えられない。

しかし、政府の立場で言えば、そもそも議論の対象から外れているから、みなされる・みなされないの問題ではない といった感じでしょうか。

それとも、確実にみなされないから、議論の対象にはならないのでしょうか。

 

さらに言えば、他国にも日本の「国民皆保険制度」のような制度がある国もあり、もし日本を訴えれば、その国の制度を否定することにもなりかねません。

だから訴えられることはないと。

ここまで以上、反論意見でした。

 

B.ジェネリック医薬品への影響が出る可能性について

まず、ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、Wikipediaによると、

医薬品有効成分そのものに対する特許である物質特許が切れた医薬品を他の製薬会社製造供給する医薬品である。

ということです。

これは、既に存在しているものを使用するため、費用が抑えられ、値段が安いのが特徴です。

 

しかし、医薬品の知的財産権の強化により、このジェネリック医薬品の開発や発売に影響が出るのではないか、という懸念があります。

この懸念に対し、政府は、

医薬品の知的財産権の強化により、後発医薬品ジェネリック医薬品)の発売が遅れるのではないかとの懸念も聞かれます。TPP交渉では、医薬品のデータ保護期間(※)についても議論されているようですが、例えば、既に締結されている米韓FTAでは、保護期間は少なくとも5年とされています。これに対し、我が国では、これより長く実質8年間の保護期間を設けています。

※新薬の承認後、一定期間、新薬を開発した企業の提出したデータを後発医薬品の承認のために使用しない(ジェネリック医薬品が承認されない)こと。

としています。

「ある協定で結ばれている保護期間よりも長く設定しているのが現状だから、あまり心配は要らない」ということですね。

 

 

次回は農業についてみていきます。

 

>>TPPが日本に与える影響(4)へ続く

 

 

<参照>

http://www.think-tpp.jp/nation/index.html(リンク先の1個左も)(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://luna-organic.org/tpp/tpp-3-1.html(サルでもわかるTPP)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/heiyou.html(厚生労働省)

http://www.bms.co.jp/kogakuryoyo/knowledge05.html(高額療養費パーフェクトマスター)

http://www.hokepon.com/learning/connect/public_option.html(保険見直し本舗)

http://kongoshinryo.jpn.org/static/tpp.html(患者本位の混合診療を考える会(仮))

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E9%96%A2%E7%A8%8E%E9%9A%9C%E5%A3%81(Wikipedia)

http://www.rosei.jp/jinjour/article.php?entry_no=63249(jin-Jour)

http://matome.naver.jp/odai/2141917748231088101(NAVERまとめ)

http://www.medical-world-guide.com/site_theme/(世界の健康保険)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E7%99%BA%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81(Wikipedia)

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kouhatu-iyaku/(厚生労働省)

http://www.1ginzaclinic.com/drugs/mininka/prescription.html

 

 

<執筆後記>

やはり1ヶ月かかってしまいました。。。

1ヶ月にいくつも連発できるような内容ではありませんでしたね・・・

本当に申し訳ありません。

TPPが日本に与える影響(2)

TPPが日本に与える影響(1)>>本記事

 

では、分野ごとに分けて、日本がTPPを締結した場合にどのような影響があるのか、見ていきましょう。

 

食の安全

 TPP交渉国が共通のルール作りを検討する中で、遺伝子組み換え食品の表示義務・BSE対策*1として設けた牛肉輸入基準・食品添加物の規制・残留農薬の基準 などが緩和されるのではないか、という懸念があります。

この懸念の根拠には、2013年2月に、日本政府がアメリカなどの海外産牛肉の輸入制限や国内での検査を緩和したことなどがあるようです。

 

この年は、日本でBSEに感染した牛が初めて見つかってから10年で、感染牛が見つかることもなくなってきて、また海外でも様々な対策が講じられ安全性が確認できたとして、緩和されました。

 

この時、日本は、生後21ヶ月以上の牛を検査していました。

日本では生後21ヶ月と23ヶ月という若い牛で感染が見つかり、それがこの根拠になっていましたが、精査したところ、人には感染しない特殊なものだったことが分かりました。

 

さらに、海外では発生件数も激減し、このとき食肉処理場で検査を行っていたのは日本とEUのみ。

しかも20ヶ月という基準で輸入を制限しているのは日本だけ。

 

これらがあり、アメリカ・カナダ・フランスなどから輸入の緩和などを求められ、日本はそれに応じたということです。

 

これに対する反対派の意見は、おそらく、「各国が輸出による利益を得たいがために“安全だ”と言っているだけではないのか」等だと思います。

一方賛成派は、「他国がこのような(もしくはこれより緩い)基準にしているのだから、日本もそれに合わせるのが妥当だろう。そして、全頭検査する数が多ければ多いほど多額な税金が使われることになる」等だと思います。

 

少しBSEの話が長くなりましたが、話を戻すと、「過去に、このような政治的圧力での変更と言わざるを得ない変更があったため、今回もそれが起きるのではないか」という懸念があるわけです。

 

これに対し政府は、「内閣官房」のホームページ(URLは本記事の最後の方<参照>に記載)で、

輸入食品の安全を確保するための措置を実施する権限は、WTOの「衛生植物検疫措置に関する協定」(SPS協定)において、我が国を含む各国に認められています。また、同協定では、科学的に正当な理由がある場合には、国際基準を上回る基準を設定することも認められています。

政府が現時点で得ている情報では、現在のTPP交渉においては、このWTOのSPS協定の権利義務を強化発展させる観点から、具体的には、食品の安全性に関するリスク評価の透明性の向上や、国際基準との調和や情報共有、政府間の紛争の解決など、衛生植物検疫のルールに関することが議論されており、食品添加物残留農薬基準BSEに関する牛肉輸入基準、遺伝子組み換え(GMO)食品の表示義務といったような、個別の食品安全基準の緩和は議論されていません。

こうした状況の下では、TPPにおいて、参加国が、WTO・SPS協定で認められている必要な措置を実施する権限を放棄させられるようなことは考えにくいですが、いずれにせよ、TPP交渉において、国民の食の安全が損なわれることのないよう、国際基準や科学的な根拠を踏まえて対応し、国民の安心の確保に努めます。

と、不安を一掃しています。(後半の、「考えにくいですが」という表現に少しひっかかる部分がありますが・・・。確率はゼロではない.....)

いずれにせよ、政府の立場から言うと、これらは「無駄な不安」なわけです。 

 

 

次回は「医療」について見ていきます。


>>TPPが日本に与える影響(3) へ続く

 

 

<参照>

http://www.think-tpp.jp/nation/index.html(TPPから日本の食と暮らし・いのちを守るネットワーク)

http://www.toha-search.com/keizai/tpp.htm(とはサーチ)

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/q&a.html#3(内閣官房)

http://matome.naver.jp/odai/2129497637940780601(NAVERまとめ)

http://ja.wikipedia.org/wiki/BSE%E5%95%8F%E9%A1%8C#.E5.B9.B4.E8.A1.A8(Wikipedia)

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDF2800Q_Y3A120C1PP8000/(日本経済新聞)

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/139343.html(NHK解説委員室)

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/niku/bse/bse.html(食品衛生の窓)

http://www.americanmeat.jp/csm/safety/more/faq/index02.html#06(BSE対策に関するFAQ)

 

 

<執筆後記>

このままのペースでいくと半年ぐらいかかってしまいそうなので、1ヶ月に1記事というコンセプトにこだわらず、できるだけ早く更新できるように努めます。

また、余談ですが、私の「はてな」専用Twitterアカウント、「nobe-jyuru」を開設しました。

このブログの、「読者になる」ボタンの近くにある「@nobejyuruさんをフォロー」というボタンを押して頂くとフォローできますので、もしよければお願いします。

*1:BSE(正式名称:牛海綿状脳症)は、狂牛病とも呼ばれる伝染病。これに感染した牛は最終的に死に至るが、根本的な予防法・治療法等は存在しない。これを発症した牛の特定の部位を食べるなどして人間が感染した場合、変異型クロイツフェルトヤコブ病を発症すると考えられているが、確率はかなり低く、また科学的根拠はない。

TPPが日本に与える影響(1)

2014年11月現在、シンガポールニュージーランド・チリ・ブルネイ・アメリカ・オーストラリア・ペルー・ベトナム・マレーシア・メキシコ・カナダ・日本 の12カ国で、TPP(環太平洋経済連携協定)*1の締結交渉が行われています。

 

外務省のホームページには、TPPとは、

アジア太平洋地域において高い自由化を目標とし,非関税分野や新しい貿易課題を含む包括的な協定

 と書かれています。

要は、様々な分野で関税を撤廃(もしくは引き下げ)し、より自由な貿易を促進し、さらにルールや仕組みを統一する といった感じです。

 

ただ、この交渉の内容はほとんどが秘密厳守で、正確な進捗状況などが分かりません。

その理由は、利害関係のある第三国が干渉してくる可能性などがあるから のようです。

確かに、どこかとどこかの国が自由な貿易協定を結べば、その国と貿易している他の国の中には不利になるところがあります。

ただ、「国民にほとんど情報を知らせないまま交渉を進めるのはどうなのか」という疑問の声も上がっています。

 

 

日本は農産物などの関税を高く維持したいわけですが、他国にもそれぞれ高い関税を維持したい分野があり、それは交渉が中々進まない原因の1つとなっています。

5月にはアメリカの農業団体が、8月には同じくアメリカの下院の与野党議員100人以上が、TPP交渉で、日本が農産物の関税を高く維持するなら交渉から除外するよう求めるということもありました。

 

このように、いつ締結できるのか、また本当に締結できるのかも分からなくなっているように感じられるTPP交渉ですが、もしこれを日本が締結した場合、日本にどのような影響があるのでしょうか。

分かっている範囲でまとめてみたいと思いますが、あまりにも文量が多くなってしまうため、これから数回に分けて執筆していきたいと思います。

(基本的に、インターネット上に上がっている情報を集めて再構成したものになります。)

 

また、賛成意見には反対意見、反対意見には賛成意見を持ってくるなど、できる限り中立な立場で書いていきたいと思います。

 

TPPは、私たちの生活に直接関わってくる問題です。

これからの記事を読んで、皆様が理解を深めるのに少しでもお役に立つことができれば、と思います。

 

>>TPPが日本に与える影響(2) へ続く 

 

 

<参照>

http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/tpp/(外務省)

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0E82KR20140528(ロイター)

http://www.jiji.com/jc/zc?k=201408/2014080200080(時事通信)

http://okwave.jp/qa/q8193054.html(OKWave)

*1:日本語の方では、他にも様々な言い方がある

任天堂、頑張れ

元は花札の商店として創業した任天堂

1980年代にはファミリーコンピュータ等を発売し、世界に名を轟かせました。

その後もDSやWiiなど革新機を出し続け、今年の8月末には「newNINTENDO3DS」「newNINTENDO3DSLL」を電撃的に発表しました。

 

しかしこの任天堂、現在3期連続の営業赤字に陥っています。

革新的なソフトの減少に加え、スマートフォン(のアプリ等)にシェアを奪われているのが一番の原因です。

 

胆管腫瘍(たんかんしゅよう) の手術を行った岩田聡(いわたさとる) 社長が療養のため欠席する中行われた6月末の株主総会では、やはりスマートフォン向けゲーム(=アプリ)への参入を否定しました。

任天堂はかねてからアプリへの参入には否定的です。*1

 

この、「ゲームをアプリで出したくない」という気持ちは、なんとなく分かるような気がします。

やはり、今までずっと独自のゲーム機でやってきた方針を簡単に変えることはできないというものでしょう。

任天堂の“ブランド”が廃るようにも思っているのかもしれません。

 

しかし、その独自路線を貫いてきた結果、この赤字の連続ということになってしまったのです。

もうそろそろ限界ではないでしょうか。

ただ、また全世界を巻き込むような革新機が出るのを待っているのかもしれません。

任天堂は一定の周期で革新機を出し続けていますし、今までも不振のゲーム機はあったわけで、またそれが出れば一気に業績が回復すると。

お金の蓄えは十分にありますし、それを待つ時間も十分にあると。

 

これは私の考えなのですが、

任天堂はしばらく、アプリには参入しないというこの独自路線を貫き、

業績が回復したらそれで良し。

もし回復せずに、お金の蓄えもどんどん減ってきて、このままでは数年で会社が潰れてしまう・・・こうなった時に、アプリに参入するのではないかと思います。

任天堂がアプリに参入する可能性がある」という報道が出ただけで株価が急激に上昇したりするのですから、もし参入すれば業績アップは確実だと思います。

 

ただどのような方法でするのかは重要ですけどね。

ダウンロード自体は無料で課金制にするのか、それとも最初に金をとるのか・・・

それを見誤った時に負うリスクを恐れていたりもするのかもしれません。 

 

 

時代の変化を見て会社の経営戦略を変えていくことは重要なことです。

ただ、“変えない”というのもまた重要なことです。

その新しい時代の流れが急に止まってしまう可能性も否定できません。

 

任天堂はこの先も“変えない”姿勢を貫くのか、

それとも、ついに時代の変化に(のっと) り“変える”のか、

今後の対応が注目されます。

*1:ポケモンカードゲームiPadアプリが海外で出ているようで、一部報道では、これを機に任天堂はアプリに参入するかと言われていますが、「ポケモン」は任天堂からは独立した株式会社であり、カプコンモンスターハンターのアプリを出すのと同じような感覚だと思われます。

朝日新聞の誤報問題から得られる私への戒め

皆さんもご存知の通り、朝日新聞はこのところ誤報の訂正を繰り返しています。

8月の始めには、32年前の慰安婦に関する吉田証言の記事を撤回したが謝罪が無いと非難を浴び、

9月11日には、福島原発事故の吉田調書に関する記事を撤回し、社長らが会見を開き慰安婦の問題と共に謝罪しました。

その後も、9月14日には、実際は任天堂にインタビューしていないにも関わらず、インタビューしたかのような記事を2年前に掲載したとして謝罪。

 

とても考えられないような出来事です。

しかし、私を始め情報を発信する人間にとって、“明日は我が身”の姿勢でこの問題に臨むことが大事ではないでしょうか。

(※朝日新聞を擁護するつもりは決してありません)

 

 

情報を発信する側にとって、誤報は致命的です。

そのため、入念にチェックする必要があります。

ですが、いくら気をつけていても間違いを犯してしまうことがあるかもしれません。

その時は、まず謝罪。

そして 誠心誠意 対応をする。

当たり前のことです。

 

私のこのブログも、コンセプトこそ「書きたい事を書きたい時に」ですが、時事問題についても多く書いています。

もしその情報が大きく間違っていたらどうでしょう?

そして、例えば外部からコメント等で指摘があったにも関わらず、それに関して検証せず、また放置していたら・・・

おそらく誰もこのブログを読まなくなりますよね。

 

場合によれば訴えられるかもしれません。

そんな事になれば人生が台無しになってしまう可能性もあります。

はてなダイアリーの方でも、これまでに何度か小さな間違いを犯し、記事で謝罪してきたので、危機感は一層募っています。

そのうち大変な間違いをしてしまうのではないかと。

 

新聞やテレビはしばしば誤報をして謝罪をしますが、会社に所属していると、こういう危機感が薄れてしまっているのかな・・・と思ったりもします。

誤報をしようと思ってする人は滅多にいません。

(稀にいますが、そんなに多くはいないと信じたい。そして意図的な誤報は“捏造”ということになります)

しかし、訴えられてからでは遅いですからね・・・

 

 

私も、これからは一層気をつけて記事を書いていこうと思います。

ただ、あまりにも考えすぎると何のユーモアも無い記事ばかりになってしまうので、その辺りのバランスを取ることは重要です。

もちろん、紛争や災害関連の記事にユーモアを入れることは論外ですが、明るい話題の記事には少しぐらい笑わせるような記述も入れたいですね。

 

 

自分で書いた記事にマズい所があっても、自分では分からないこともあります。

公に出る前に友人や知人にチェックを仰ぐのも1つの手立てかもしれません。

新聞社にはそのために校閲担当の人達がいるはずなのですが・・・

 

とは言っても、やはり校閲する人も人間。見逃しもします。

それに関わる全ての人が気をつけることが大事ですが、やはり最終的には、記事を書く当人が責任を持って間違いをしないこと、これに尽きるのかもしれません。